ダイビング専門誌のベストスポットランキングに、コモドは定期的に登場する。インドネシアのベスト10に入るかどうかではなく、世界のベスト20に入るかどうかという話だ。その評価の理由は一言で言えば、「電流」と「多様性」だ。
コモドはバンダ海とインド洋がぶつかる海域にある。その潮流が海底のプランクトンを撹拌し、食物連鎖の全体を底上げしている。透視度は平均20〜30メートル。ハンマーヘッドシャーク、マンタエイ、ナポレオンフィッシュ、バンプヘッドパロットフィッシュ、タイマイ——これらが一つのエリアに集まっている場所は世界でも限られる。
主要ダイビングスポット
キャッスルロック(Castle Rock): 公園北部の水中ピナクル。海面から18メートル下まで続く構造物の周囲に、ハンマーヘッドシャーク(季節限定)、大型のGT(ジャイアントトレバリー)、ナポレオンフィッシュが集まる。潮流が強く、アドバンス以上が望ましい。公園内で最も期待値が高いスポットのひとつ。
クリスタルロック(Crystal Rock): キャッスルロックと近接する二連ピナクル。マンタエイとグレーリーフシャークの目撃率が高い。潮流次第でコンディションが大きく変わるため、タイミングが重要。
バトゥ・ボロン(Batu Bolong): 70メートルの海底からほぼ海面まで立ち上がる単独ピナクル。「公園で最も生物密度が高いスポット」と呼ぶガイドが多い。小魚の群れが壁を覆い、その周囲を大型魚が周回している。海面付近の珊瑚も美しく状態が良い。
マンタアレー(Manta Alley): コモド島南端。クリーニングステーション機能を持つ海域で、マンタエイが常駐する。マンタポイントより深い場所にクリーニングステーションがあるため、ダイバーの方がより多くの行動パターンを観察できる。
タタワ・ブサール(Tatawa Besar): ドリフトダイビングのウォールサイト。マクロ系の被写体が多い——ウミウシ、ピグミーシーホース、カニ類。フォトダイバーに人気。
ザ・コールドロン(The Cauldron)/ショットガン: 二つの島の間を流れる「洗濯機」のような激流ポイント。特定の潮汐時にのみ入水可能で、経験豊富なドリフトダイバー向け。名前の通りのコンディションが待っている。
難易度と必要なスキル
コモドはビギナーダイビングの場所ではない。「潮流」がこの海の本質であり、最大の見どころでもあり、最大のリスクでもある。
推奨: PADIアドバンス・オープンウォーターまたは同等、ドリフトダイブの経験あり。
緩やかな潮流の日であれば、オープンウォーター認定者でも入れるサイトはある。しかしキャッスルロックやクリスタルロックのような主要スポットで潮流と向き合うには、流れの中で中性浮力を取る経験が不可欠だ。
水温: 乾季は24〜28℃。湧昇流の影響を受けるエリアは20〜22℃まで下がることがある。3mmのウェットスーツが基本。
緊急時: 減圧症の場合、最寄りの再圧チェンバーはバリ島にある。移送に数時間かかるため、保険と緊急連絡先の確認は必須。
ダイビング重視のライブアボードをどう選ぶか
標準的なライブアボードはシュノーケリング中心のルートを組む。ダイビングを重視するなら:
- 予約時に伝える: 「ダイバーです。キャッスルロックとクリスタルロックには必ず行きたい」という要望を明確に伝える。
- ダイブマスター同乗の確認: ダイビングガイドが船に乗っているか確認する。シュノーケリングガイドとダイビングガイドは別。
- 緊急酸素の有無: 責任あるオペレーターは緊急用の酸素ボンベを船に積んでいる。確認しておく。
- 機材レンタル: ラブアンバジョのダイブショップで借りられるが、自分のマスクとコンピュータは持参が望ましい。
ベストシーズン
4月〜10月(乾季): 視界、コンディションともに安定。5〜6月と9〜10月が混雑と天候のバランスが良い。
9月〜3月: マンタエイの最盛期。ダイビングとマンタを組み合わせたいなら9〜10月が特に充実している。
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